「認知症になった親の財産、どう管理したらいい?」
「施設入所の契約や銀行の手続きができない…」
そんなときに活用されるのが「成年後見制度」です。
本人の意思を守りながら、財産や生活をサポートする制度として重要な役割を担っています。
成年後見制度とは?

たけし
成年後見って、後見人を勝手に立てていいの?

さとみさん
いいえ。家庭裁判所に申立てをして、裁判所が後見人を選任します。
成年後見制度とは、認知症や知的障がい、精神障がいなどで判断能力が不十分な人のために、家庭裁判所が後見人を選任し、法律的に支援する制度です。
目的は、本人の財産と権利を守ること。必要な契約や手続きを、後見人が代わって行います。
後見制度の3つの類型
成年後見制度には、判断能力の程度に応じて3つの種類があります:
- 後見:意思判断がほぼできない人
- 保佐:判断力が著しく不十分な人
- 補助:判断力が一部不十分な人
いずれも本人の利益を最優先に、家庭裁判所の監督のもとで行われます。
成年後見人にできること・できないこと

ふじはらさん
後見人は本人の代理人ですが、すべて自由にできるわけではありません。不動産売却などは家庭裁判所の許可が必要です。
成年後見人は、主に以下のことが可能です:
- 銀行手続きや年金の受取
- 介護サービスの契約
- 生活費・医療費の支払い
しかし、以下の行為には家庭裁判所の許可が必要です:
- 不動産の売却
- 贈与や相続分の放棄
- 高額な契約
成年後見制度のメリットと注意点
メリット:
- 法的に有効な代理権が認められる
- 家庭裁判所の監督があるため安心
- 悪徳業者や詐欺から本人を守れる
注意点:
- 手続きに時間がかかる(1〜2か月程度)
- 後見人の行動には制限がある
- 費用(報酬・申立費用)が発生する場合がある
任意後見との違いとは?

たけし
前に聞いた「任意後見」とは何が違うの?

さとみさん
任意後見は元気なうちに契約しておく制度。成年後見は、すでに判断能力が低下した方を支援する制度です。
簡単にまとめると:
- 任意後見:本人が元気なうちに契約 → 判断力が落ちた後に発効
- 成年後見:すでに判断力がない状態 → 家庭裁判所が後見人を選任
まとめ:困ったときに頼れる制度
- 成年後見は、判断能力が不十分な方を法的に支援する制度
- 家庭裁判所が後見人を選び、監督も行う
- 相続・財産管理・施設契約など、幅広く対応可能
- 利用には手続きと時間が必要。早めの準備が大切
「親の判断力が落ちてきたかも…」「銀行の手続きができない…」
そんなときは、成年後見制度の利用を検討してみましょう。
不安や手続きの疑問があれば、私たち専門家へ相談を。