

たけし
配偶者居住権ってよく聞くけど、具体的にどういう制度なの?

さとみさん
配偶者居住権は、夫婦の一方が亡くなった後も残された配偶者がその家に住み続けられるようにする新しい権利なのよ。2020年に民法改正で導入されたの。
配偶者居住権とは?
配偶者居住権とは、亡くなった配偶者が所有していた建物(居住用)に対して、残された配偶者が引き続き「無償で住み続けられる権利」です。
これは従来の制度では、家を取得するために他の財産をあきらめざるを得なかった配偶者の保護を目的としています。
図で見る!制度のイメージ

具体例で理解しよう
たとえば、自宅と預金1000万円の遺産があるケースで、配偶者と子どもが相続人の場合:
- 従来:配偶者が家を相続すると、預金は子に行き、生活費が不足する
- 配偶者居住権を使う:家の「居住権」だけを得て、預金も一部取得できる

ふじはらさん
建物の「所有権」と「居住権」を分けて相続できるのがポイントだね。登記も必要だから専門家の関与が重要になるよ。
配偶者居住権の要件
- 亡くなった配偶者が所有していた建物であること
- 残された配偶者が実際に住んでいたこと
- 遺産分割協議や遺言で取得が認められたこと
注意点も知っておこう
- 売却や賃貸など自由な処分はできない
- 登記しないと第三者に対抗できない
- 対象は建物だけで、土地は含まれない
比較:配偶者居住権と使用借権の違い
項目 | 配偶者居住権 | 使用借権 |
---|---|---|
法律の根拠 | 民法1028条〜 | 民法593条〜 |
登記の可否 | できる(必要) | 不可 |
対抗力 | あり | 弱い |

たけし
なるほど…自分の家に安心して住み続けられるのは、すごく大事なことだね。
まとめ:配偶者居住権のポイント
- 残された配偶者が家に住み続けられるようにする制度
- 登記や遺産分割協議が必要で、準備が大切
- 財産をうまく分ける手段としても有効
ご相談は私たち専門家へ
配偶者の生活を守る配偶者居住権。登記や遺言、遺産分割との関係も含めて、私たち専門家がサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

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