
「相続税」って全員が払うの?

ゆうたさん
さとみ、相続税って遺産をもらったら全員が払うの?うちには大して財産ないけど…

さとみさん
いい質問だね!実は「控除(こうじょ)」っていう仕組みがあって、一定額以下の相続なら税金はかからないんだよ。
相続税の計算と控除のしくみ
相続税は、課税対象となる遺産額に対して課されますが、まず次のステップで税額が決まります:
- 相続財産の総額を評価する
- 非課税財産(生命保険の非課税枠など)を差し引く
- 基礎控除額を差し引く
- 各人の相続分に応じて税率を適用
- その人に応じた各種控除(配偶者控除、未成年控除など)を差し引く
1. 基礎控除
誰にでも適用される「最低限の非課税ライン」が基礎控除です。
基礎控除額の計算式:
3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
■ 計算例
法定相続人が3人(妻+子2人)の場合:
- 3000万円 + 600万円 × 3人 = 4800万円まで非課税!
2. 配偶者控除

ゆうたさん
お母さんが全部相続した場合はどうなるの?税金やばそうだけど…

さとみさん
配偶者が相続した財産は、1億6000万円まで、または法定相続分まで相続税がかからないという特例があるんだよ!
■ 配偶者控除のポイント
- 法定相続分か、1億6000万円までのどちらか多い方が非課税
- たとえ多額の財産を引き継いでも、実質的に課税されないケースが多い
- 配偶者は一生住む家や生活資金を守るための制度
3. 未成年控除・障害者控除
● 未成年控除
相続人が未成年(20歳未満)の場合、満20歳になるまでの年数 × 10万円が控除されます。
● 障害者控除
障害者が相続人である場合、以下の計算で控除されます:
- 一般障害者:満85歳までの年数 × 10万円
- 特別障害者:満85歳までの年数 × 20万円
■ 計算例
19歳の子が相続した場合:
- 20歳-19歳=1年 × 10万円 → 10万円控除
4. 相次相続控除
10年以内に相続が連続して発生した場合、前の相続で納めた税金の一部を控除できます。
家族が続けて亡くなったときの“二重課税”を避けるための仕組みです。
5. 贈与税との関係と控除の調整
生前に贈与を受けていた場合、「相続開始前3年以内の贈与」は、相続財産に加算されます(みなし相続財産)。
一方、一定の要件を満たすと「贈与税額控除」も受けられます。
まとめ|相続税の負担は、控除で大きく変わる

ふじはらさん
相続税は「控除」を知っているかどうかで大きく変わります。特に配偶者控除や基礎控除は見逃せません。ご自身のケースでどうなるか、早めの確認が大切です。
制度は細かく複雑ですが、知っておくことで大きな安心につながります。
「うちは対象になるの?」「申告が必要かどうか不安」など、気になる方はどうぞお気軽に私たち専門家にご相談ください。
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