「生前に渡せば贈与税、亡くなってからなら相続税…」
このように理解している方も多いと思います。
実は、贈与税と相続税は密接な関係があり、どちらの税制を使うかによって税負担が大きく変わることも。
今回は、この2つの税金の違いと、賢く使い分けるための考え方について解説します。
贈与税と相続税の基本的な違い

たけし
贈与税と相続税って、どう違うの?

さとみさん
生きているうちに財産を渡すと贈与税、亡くなった後に渡すと相続税がかかります。
贈与税と相続税の主な違いは次の通りです:
- 贈与税:贈与した年に課税。年110万円の基礎控除あり。
- 相続税:亡くなった時点での財産全体に課税。基礎控除は3,000万円+法定相続人×600万円。
税率の違いにも注意

たけし
どっちの方が税率が高いの?

さとみさん
贈与税の方が税率が高く設定されているんです。高額な贈与には注意が必要です。
同じ金額を渡したとしても、贈与税の方が税率は高く、負担が重くなりがちです。
例えば:
- 相続税:10〜55%
- 贈与税(特例):10〜55%(課税価格が低くても税率が上がりやすい)
特に2,000万円を超える贈与は、高い贈与税率(最大55%)が適用されることがあります。
贈与と相続、どちらが得か?

ふじはらさん
一概には言えません。毎年の非課税枠を活用する生前贈与と、相続税の基礎控除・配偶者軽減などの制度を活用する相続、それぞれバランスが大切です。
節税を考えるうえでは以下の点がポイントになります:
- 毎年110万円以内の贈与でコツコツ渡す
- 相続税の基礎控除・配偶者の税額軽減を活用する
- 暦年課税と相続時精算課税の選択を慎重に
相続税対策としての贈与の活用

たけし
生前贈与って、やっぱりやった方が得なの?

さとみさん
贈与税がかからない範囲で計画的に行えば、将来の相続税対策になりますよ。
生前贈与は早めにコツコツ行うことで、相続時の財産総額を圧縮し、結果的に相続税の節税につながります。
ただし、亡くなる前の一定期間の贈与は「加算」されるルールがあるため、注意が必要です。
まとめ
- 贈与税は生前、相続税は死亡後に発生
- 贈与税の方が税率が高くなる傾向
- 計画的な生前贈与で相続税を減らせる可能性あり
- 非課税枠や控除制度を正しく理解することが重要
贈与と相続、どちらを選ぶべきかは、家庭の事情や財産の構成、将来の相続人の数によって変わります。
最適な方法を選びたい方は、ぜひ私たち専門家へ相談を。