財産って、どうやって“値段”を決めるの?

ゆうたさん
さとみ、相続税って財産の価値によって決まるんだよね?でも、たとえば土地や家ってどうやって値段を出すの?

さとみさん
相続財産の評価は、相続税の申告に必要だからとても重要なんだよ。財産の種類ごとに評価方法が違うから、順番に説明するね!
相続財産の評価とは?
相続財産とは、亡くなった方(被相続人)が残した財産のことです。現金や預金、不動産、有価証券など、さまざまな資産が対象になります。
相続税は、この相続財産の「評価額」に基づいて計算されるため、適切な評価が非常に重要です。
評価の基本原則
- 原則:相続開始日(死亡日)時点の時価
- 評価の基準は「財産評価基本通達」に従う
- 現金や預金はそのままの金額、不動産や株式は評価方法を適用
財産別の評価方法
1. 現金・預貯金・貸付金
これは比較的シンプルです。
- 現金 → 手元にあった金額
- 普通預金 → 相続開始日の残高(利子含む)
- 定期預金 → 元本+経過利息
- 貸付金 → 元本+未収利息(回収可能性によって減額可)
2. 上場株式
相続開始日前後の価格を比べて、最も低い価格で評価できます。
評価方法 | 具体的内容 |
---|---|
① 相続開始日の終値 | 該当銘柄の相場価格 |
② 相続月の毎日の終値平均 | 毎日の終値の平均値 |
③ 相続前月の毎日の終値平均 | 価格が下がっていれば適用可 |
④ 相続翌月の毎日の終値平均 | 上記3つより低ければこちらを採用 |
3. 不動産(自宅や土地)

ゆうたさん
やっぱり一番難しそうなのが土地や家の評価だよね?

さとみさん
そうね。土地は「路線価」や「倍率方式」など、評価方法が複雑なの。建物は固定資産税評価額でOKなんだけどね。
土地の評価方法
- 路線価方式:市街地や住宅街の土地 → 国税庁が公表する「路線価 × 土地の面積」
- 倍率方式:路線価が設定されていない地域 → 固定資産税評価額 × 国税庁倍率
建物の評価方法
建物については、相続開始時点の固定資産税評価額を使用します。これは毎年市区町村から届く「固定資産税課税明細書」に記載されています。
その他の財産
● 自動車
中古車販売価格や専門業者による査定額が用いられます。
● 家財道具・骨董品
通常は時価で評価されますが、高額な美術品等は鑑定が必要になることもあります。
● 生命保険金(みなし相続財産)
契約者と被保険者が同一人物である場合、受取人に入る生命保険金も「相続税の対象」です。
- 非課税枠:500万円 × 法定相続人の数
- 超えた分については課税対象
注意すべきポイント
- 財産評価は申告書の添付資料として信頼性が求められる
- 相続人間での協議と異なり、評価は税務署の基準で判断される
- 配偶者の税額軽減、小規模宅地の特例などと合わせて検討する
まとめ|正しい評価が、トラブルを防ぐ

ふじはらさん
財産の評価を間違うと、申告漏れや税務調査につながるリスクがあります。評価方法は複雑ですが、正確に行うことでトラブルを防げますよ。
相続財産の評価は、財産の種類ごとに異なる知識が必要です。
「評価が合っているか不安」「土地の路線価が分からない」など、お困りの方は、私たち専門家にぜひご相談ください。
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